2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654011
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
作間 誠 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30178602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 聖一 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60254380)
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Keywords | 2橋結び目 / エンド不変量 / small cancellation theory |
Research Abstract |
(1)双曲的2橋結び目K(r)に対して,理想頂点∞またはrを頂点に持つファレイタイル張りの辺に関する鏡映変換全体が生成する群をΓとする.このとき,K(r)の完備双曲構造のホロノミー表現が導く穴あきトーラス基本群のSL(2,C)表現のTan-Wong-Zhangエンド不変量集合は,Γの極限集合に一致し,従ってCantor集合になることを証明した.この結果によりCanotor集合をエンド不変量集合にもつ表現の新しい具体例が得られた. (2)前年度には,釜山大学Donghi Lee准教授との共同研究により,研究計画で述べた予想5の肯定的解決を得ていたが,今年度はその研究を更に推進させ,長年の懸案であった下記の問題の解決に成功した. 問題.K(r)を傾きrの2橋結び目,Sをその2橋分解を与える球面が定めるKの補空間内の4点穴あき球面とする.このとき,S上の傾きs,s'の単純閉曲線が結び目補空間内でホモトピックとなるための必要十分条件は,s'がΓによるsの軌道上にあることであるか? この問題の解決は組合せ群論におけるsmall cancellation theoryを用いることにより得られた.Weinbaum, Appel-Schuppにより,small cancellation theoryを用いることにより,交代結び目の結び目群においては共役問題が解決可能であることが知られていた.それに対して,特殊ではあるが重要な2橋結び目群にたいして,やはり特殊ではあるが極めて自然な共役問題を完全に解決したことが,この研究の特徴的な性質である.
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Research Products
(3 results)