2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩瀬 則夫 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (60213287)
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Keywords | A∞代数 / ホモトピー代数 / A∞圏 / 微分次数付き余代数 / 二重バー構成 / 単位元 / ホモトピー作用 |
Research Abstract |
空間に対するA∞構造の定義は、実は2種類存在し、両者ともがJ.D.Stasheffによるものである。一方は厳密な単位元の存在を要請するのにも関わらず、他方はホモトピー単位元しか必要としない。ところが、Stasheffによるそれらの同値性の証明には重大なギャップがあることが専門家の間では認識されていた。そのギャップを埋める努力は十分には成されて来たとは言えないながら、この二つの定義は実際に同値であると固く信じられてきた。これに対して、Stasheffの主張するような形での証明ではないが、ホモトピー単位元を持つA∞空間が、別の厳密な単位元を持つA∞空間にホモトピー同値となるという意味でこの問題に決着を付けられた。さらに、A∞右作用を持つ空間とA∞左作用を持つ空間の二つを取ったとき、これらに対して同時にそのA∞作用の分類空間を構成することができることがわかる。これは通常の右作用と左作用とに対して同時に構成されるtwo-sided Borel constructionをA∞作用の場合に拡張したちのである。これによって、通常の作用をホモトピー的に変形してもA∞作用の意味で全くホモトピー論的な扱いに問題がないことが分かる。これらのすべてを内部圏の一般化としてのA∞圏に対して定式化することに成功したと考えている。このアイデアを現在まとめつつある70頁ほどの論文原稿の中で、与えることを考えている。さらに、分類空間の性質を示す為には、これらに付随して定まるスペクトル系列を考察する必要があると考えている。
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Research Products
(8 results)