2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654013
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小俣 正朗 Kanazawa University, 数物科学系, 教授 (20214223)
|
Keywords | 剥離 / 衝突 / 血管構造 / 変分問題 / 自由境界問題 / 体積保存問題 / 連成解析 / 人体内動力学 |
Research Abstract |
本年度は、剥離問題については人間の血管についての解析を中心に研究を行った。動脈を例に取ると、大きな血管はおおむね三層構造を持っている。これにプラークが付着または浸潤して構造に変化が起きる(動脈硬化)。そこにシアーストレスがかかるなどして構造が破壊されると死に至る可能性がある。これらを医学的見地から分析しようとした場合、次の問題点が現れる。 (1)動脈硬化の好発部位(分岐部に多い)と血管形態の関係=力学的説明がつくか? (2)血管内皮障害とシアーストレスの関係=ストレスがかかる部分と病変部位は一致するか? (3)動脈硬化性プラークが破綻するときプラークの破綻好発部位があるのはなぜか? これらの解析のために、血管の構成要素とその物性情報などを医学チームとともにモデリングを行った。この結果、魚類の心臓などをモデルとした血管血流相互作用解析の基礎方程式と数値解法を構築することが出来た。また、プラークの移動モデルも構築することが出来た。 一方衝突問題では、人間の頭部に交通事故等で衝撃を加えられたとき、頭蓋骨内部の状況把握を行うための基礎的数理モデルを構築した。弾性体の外殻と内部流体、内部固体などの衝突相互作用のモデル方程式を構築し、数値解法も得ることが出来た。 今後は、数理と医学の協働により、弾性・塑性・粘性などの連続体としての構造パラメータや多孔性・通水性(細胞膜の物性)、比重(浮力)や粘着力など臓器相互関係など、解析と現実パラメータの調整を行い、より詳細なモデル決定を行う。
|
Research Products
(5 results)