2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654014
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 芳文 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70169944)
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Keywords | 渦運動 / 定常配置問題 / ソリトン方程式 / 乱流 / エルミート多項式 / パンルベ方程式 |
Research Abstract |
本研究の目的は2次元渦運動の最も簡単なモデルである点渦系について最近発見され報告された新しい内容を踏まえ、数理科学的に新たな展開を図ることにある。内容としてはこれまでに考察を行ってきた点渦系の定常配置とソリトン方程式の問題や2次元定曲率曲面上の点渦の運動が主要な研究項目である。前者については点渦系の定常解とパンルベ方程式の関係より点渦系の方程式の解の可積分条件を考察すること、また後者については渦対の運動の軌跡と多様体上の測地線の問題として回転楕円体を具体的な例にとり、その上での渦対の運動を考察し解を実際に計算することにより測地線との関係を考察することを目的としていた。本年度は最終年度としてこれまでの研究をまとめ、新たな2次元渦運動の問題を新たな視点から捉えることに努めた。特に乱流の問題における渦運動の果たす役割について、2次元の渦運動と3次元の渦運動のの比較は力学の観点からも、統計性の観点からも非常に重要な問題であることが認識された。これまで考察を続けてきた点渦系の可積分性の問題についても、点渦の運動を記述するハミルトニアンのlog関数の多価性によLiouvlle-Arnoldの定理では捉えきれない性質や、特異解の周りでの線形化方程式におけるモノドロミーなど、新たな視点から考え直す必要性が感じられた。これらの知見を生かしてさらに乱流の研究を多角的に進めるべく新たな研究計画を作成中である。
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Research Products
(2 results)