2009 Fiscal Year Annual Research Report
低次元臨界確率パーコレーション上のダイナミックスとそのスケール極限
Project/Area Number |
21654015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
熊谷 隆 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (90234509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 博文 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20177207)
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Keywords | 確率論 / 数理物理 / 解析学 / 統計力学 / ランダムウォーク / 飛躍型確率過程 / 国際研究者交流 / イギリス:アメリカ:韓国 |
Research Abstract |
本年度行った研究により得られた成果は、以下の通りである。 1. 熊谷は、D次元正方格子七の対称マルコフ連鎖が飛躍型確率過程に収束するための十分条件を、ディリクレ形式の手法を用いて導出した。具体的には、tightnessの証明にLyons-Zheng分解を用い、またMosco収束を示す事で弱収束の証明を行った。さらにこの理論の応用として、ランダムコンダクタンスモデルで2点間のコンダクタンスに長距離相関がある場合について、対応するランダムなマルコフ連鎖がD次元安定過程に収束するための十分条件を与えた。現在この結果を、Chen氏、Kim氏との共著論文として執筆中である。 2. 長田は、Ginibre干渉ブラウン運動という平面内のクーロンポテンシャルで干渉しあう無限次元確率力学系のtagged粒子が劣拡散的な挙動をすることを証明した。またべッセル点過程の部分積分公式を確立した。Airy点過程の部分積分公式についても研究が進展した。 3. 研究協力者の白石大典は、4次元格子上の単純ランダムウォークの軌跡上のランダムウォークの詳細な漸近挙動を解析した。長さnの4次元単純ランダムウォークの2端点の有効抵抗に関する詳しい評価を与えることにより、軌跡上のランダムウォークの熱核に関する極めて精密な評価を与える事に成功した。白石はこの結果を論文にまとめ、現在雑誌に投稿中である。
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Research Products
(5 results)