2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654018
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中木 達幸 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50172284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 敏隆 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40112172)
辻川 亨 宮崎大学, 工学部, 教授 (10258288)
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Keywords | 偏微分方程式 / 数値計算 / 拡散移流方程式 / 異種項混合 / Keller-Segel方程式 / 反応拡散方程式 |
Research Abstract |
昨年度の実績を踏まえ,本年度は次のとおり研究を実施した. 1.研究代表者中木はすでに,空間1次元問題に対する異種項混合の数値計算法の開発を,Keller-Segel方程式とADモデルに対して行った.本年度は指導院生の協力を仰ぎ,空間2次元への拡張を行い,Keller-Segel方程式に対して,解の爆発の様子に関するいくつかの数値実験を行い,数値計算上の問題点の洗い出しを行った. 2.研究分担者永井氏は,Keller-Segel方程式を担当した.本年度の研究において,非負で可積分な初期データの総質量が臨界値8πより小さい場合,初期データに対し空間遠方での減衰条件を付加しないで非負解の時間大域的存在について研究し,「関数の再配分」の手法や球対称な前進自己相似解などを用いて次の成果を得た:非負で可積分な初期データの総質量が臨界値8πより小さい場合,拡散効果が走化性を引き起こす非線形移流より強く,非負な時間大域解は熱方程式の解と同じ速さで時間無限大で減衰する. 3.研究分担者辻川氏は,ADモデルを担当した.2次元有界領域が十分滑らかな境界をもつとき,ノイマン境界条件のもと金属表面の状態を記述する方程式の拡散係数について次の結果を得た:拡散係数をパラメータとした場合の正値定常解の大域的構造が部分的にではあるが解明された.一方,金属表面上の気体分子の吸着密度の時間変化を記述する方程式の拡散と移流係数が共に大きい場合,ある種の極限方程式を導入し,中間値の定理を用いて大域的な解構造を明らかにすることにより,反応拡散方程式の空間非一様な定常解の存在を示した. 4.研究の遂行のため,偏微分方程式に関する研究集会(4月3~4日)を分担者辻川氏とともに開催し,必要な議論と資料情報収集を行った.
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Research Products
(5 results)