2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舟木 直久 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60112174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
俣野 博 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40126165)
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Keywords | 確率論 / 解析学 / 確率偏微分方程式 |
Research Abstract |
時空のランダムな揺らぎの効果を考慮した界面成長の様子を記述する方程式、すなわちKardar-Parisi-Zhang(KPZ)方程式に関する数学的研究が、近年急速に進展している。これは、特異性を内包する確率偏微分方程式の一種である。研究代表者の舟木は、無限次元解析の手法やブラウン汎関数のWiener-伊藤展開などを用いて、KPZ方程式の平衡解の解析を進めた。 舟木はさらに、3年間の研究期間を通して、連携研究者の謝賓氏(信州大学)らと共に、2次元ヤング図形の運動の非平衡揺動極限に関する研究を行い、最終的に、極限がある種の確率偏微分方程式によって記述されることを証明した。これは無限次元空間上の確率過程に対する中心極限定理として定式化されるが、対応する大数の法則のレベルは、いわゆる流体力学極限の枠組みで論ずることが可能であり、その研究は既に舟木らによって行われている。 舟木はまた、粘性項のないBurgers方程式に確率項が加わってできる確率偏微分方程式について、衝撃波の生成について調べた。この考察を基にして、分数冪微分作用素を加えた確率偏微分方程式の確率的エントロピー解についての研究を謝賓氏と共に継続している。 ある種の非線形拡散方程式においては、拡散係数を0に近づけた特異極限において不連続な界面が現れ、その運動が平均曲率流に支配されることは知られている。分担者の俣野は、非等方性を持つAllen-Cahn型方程式の特異極限を考察し、界面の位置に関する精密な評価を導いた。
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Research Products
(4 results)