2009 Fiscal Year Annual Research Report
多次元空間における反応拡散方程式の全域解の特徴付けと存在理論の構築
Project/Area Number |
21654025
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
森田 善久 Ryukoku University, 理工学部, 教授 (10192783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 広和 明治大学, 理工学部, 准教授 (90251610)
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Keywords | 反応拡散方程式 / 進行波解 / 全域解 / Lotka-Volterra拡散競争系 / スポット進行波解 |
Research Abstract |
色々な具体的な反応拡散のモデル方程式で進行波解が研究されているが,システムの場合には一般的な存在理論を構築するのが難しい.その中で,Lotka-Volterra拡散競争系のモデル方程式においては空間1次元の場合に進行波解の存在がよく研究されており,かなりのパラメータ領域でその存在が知られている.研究代表者の森田はその共同研究者とともに,このLotka-Voltera拡散競争系において,2つの進行波が両側から伝播し衝突・消滅する現象に対応する全域解の存在を証明した.このような全域解の存在はスカラー方程式の場合にはよく研究されているが,システムでの証明は初めてである.実際,システムの場合は,スカラー方程式の場合の手法を直接適用できず技術的な工夫が必要であった.この研究は,他のシステムのモデル方程式についても発展させることが期待できる意義のある成果である。 空間2次元の場合の進行波については最近研究が進んできたが,どのような空間的形状の進行波が可能であるかについては未解決である.通常よく知られているのはフロント形状を持つ進行波解である.このような解は2つの相を結ぶ遷移層をもつ解として重要である.それに対して分担者の二宮はその共同研究者とともに2次元のスポット形状の進行波解の構成に成功した.反応拡散方程式においてこのような形状の解の存在証明は初めてであり,今後,進行波解を形状で分類する場合に,この成果は新しい視点を与えるものと期待される.
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Research Products
(3 results)