2011 Fiscal Year Annual Research Report
多次元空間における反応拡散方程式の全域解の特徴付けと存在理論の構築
Project/Area Number |
21654025
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 広和 明治大学, 理工学部, 教授 (90251610)
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Keywords | 反応拡散方程式 / 進行波 / 全域解 / ヘテロクリニック軌道 / 伝播速度 / FizHugh-Nagumo方程式 / 極限方程式 / 楕円型方程式 |
Research Abstract |
代表者の森田は,これまでの多次元における反応拡散方程式の空間的に特徴的な形状をもった進行波解の研究を詳しく分析した.多次元領域での進行波の研究は,非線形楕円型方程式の全域解の存在研究と密接に関係する.これまでの定常問題としての楕円型方程式の解構造の研究と,それをもとにした進行波解の形状を決定する(移流項のある)楕円型方程式(空間次元が1上がる)の問題について分析した.この結果,1次元の解として得られる平面波をもとに特徴づけられる進行波と,2つの無限遠方に定常解を設定してそれをつなげる無限次元相空間におけるヘテロクリニック軌道として特徴づけられる解があることがわかり,これまでの研究と今後の問題点について整理した.これらの分析結果はサーベイ論文としてまとめ投稿中である. また,反応拡散方程式系についての研究を進めるため,FizHugh-Nagumo方程式系についての全域解の研究を進めている.空間1次元の場合の定在波について,あるパラメータ条件下での存在と安定性についての結果が得られたが,現在論文として準備中である.あるパラメータの極限ではスカラーのAllen-Cahn方程式の定在波に近づくことも示されており,システムとスカラーの方程式の研究をつなぐ結果である. 二宮は,m種拡張系における進行波の伝播速度が,解の値によって変化することを証明した.これは反応拡散系に現れる全域解の新しい特徴を示す結果である.全域解を特徴づけるときこのような解を含んだ特徴付けが必要になってくることがわかり,重要な成果である.また,反応拡散方程式系のあるパラメータに関する極限方程式の研究も行い,このようなクラスの方程式における全域解の特徴付けの研究につながる成果として期待される.
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Research Products
(3 results)