2009 Fiscal Year Annual Research Report
6次元ボルツマン方程式による自己重力系の数値シミュレーション
Project/Area Number |
21654026
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉川 耕司 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (70451672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 雅之 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70183754)
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Keywords | 自己重力系 / ボルツマン方程式 |
Research Abstract |
本年度は、6次元位相空間上での物質の分布関数の時間発展を無衝突ボルツマン方程式を直接数値的に積分することで、自己重力系の数値シミュレーションを行うシミュレーションコードの開発を行った。無衝突ボルツマン方程式の数値積分は、位相空間の6次元方向を別々に移流方程式として分布関数をとく手法を用いた。この際、分布関数に対する物理的要請である、正値性・最大値の原理・孤立積分の保存などを満たす積分スキームを開発した。また、重力ポテンシャルの満たすべきポアソン方程式の数値解法も孤立境界条件と周期的境界条件の両方に対応できるものを開発した。 また、座標空間を領域分割することで並列化も同時に行い、座標空間を64^3、運動量(速度)空間も64^3のメッシュで離散化し、科学的に意味のある規模の分解能で無衝突ボルツマン方程式の直接数値積分を世界で初めて実行することが可能になった。 開発したシミュレーションコードのテスト計算として、速度分散による密度ゆらぎのLandau damping、自己重力系の平衡解であるPlummerモデルやKingモデルの計算を行い、その振る舞いや質量保存、運動量保存、エネルギー保存の精度をしらべ、科学的な研究に耐えうるシミュレーションコードであることを確認した。 なお、本研究の数値シミュレーションは筑波大学計算科学研究センターのT2K-Tsukubaシステムを用いて行った。
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Research Products
(3 results)