2010 Fiscal Year Annual Research Report
6次元ボルツマン方程式による自己重力系の数値シミュレーション
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21654026
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉川 耕司 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (70451672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 雅之 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70183754)
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Keywords | 自己重力系 / ボルツマン方程式 |
Research Abstract |
本年度の研究では、前年度に開発した6次元位相空間上での無衝突ボルツマン方程式を直接数値計算するコードを、宇宙論的構造形成のシミュレーションで必要となる宇宙膨張に沿った共動座標系での無衝突ボルツマン方程式でも適用可能にする研究を行った。 通常は、正準座標で無衝突ボルツマン方程式を定式化するのが一般的であるが、共動座標系での正準運動量を採用すると、宇宙膨張に伴って正準運動量が急激に増加し予め決められた位相空間領域に御触らなくなってしまう現象が見られたため、正準運動量を採用するのではなく宇宙膨張に対する依存性が弱い運動量変数に変数変換した無衝突ボルツマン方程式を数値計算する手法を採用した。その為に、運動量空間での移流方程式の解法を大幅に修正し、非正準運動量による定式化に対応した数値計算スキームの開発を行った。 また、実際に宇宙論的な初期条件に対して、宇宙の大規模構造形成の数値シミュレーションを行い、N体計算による結果と比較して正しい結果が得られていることを確認した。更に、N体コードと無衝突ボルツマン方程式を組み合わせて、N体計算で計算できるコールド・ダークマター成分と無衝突ボルツマン方程式で解くべきニュートリノ成分の2成分での宇宙論的大規模構造形成を計算できるハイブリッドコードの開発に着手したところである。 なお、本研究の数値シミュレーションは筑波大学計算科学研究センターのT2K-Tsukubaシステムを用いて行った。
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[Journal Article] Can electron distribution functions be derived through the Sunyaev-Zel'dovich effect?2011
Author(s)
Prokhorov, D.A., Colafrancesco, S., Akahori, T., Yoshikawa, K., Nagataki, S., Seon, K.-1.
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Journal Title
Astronomy & Astrophysics
Volume: 529
Pages: A39
Peer Reviewed
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