2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654035
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
本間 謙輔 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40304399)
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Keywords | 高強度場 / 真空 / 事象地平 / ホーキング / アンルー / レーザー |
Research Abstract |
レーザー場からの輻射探索について: レーザー・電子相互作用により、電子が瞬間的な静止系で感じる加速度が最大になる方向を、慣性系においてローレンツブーストした方向へ輻射される熱輻射の徴候を探るべく、産総研との連携を保ちつつ、22年度はより高強度のレーザーを有するドイツ・マックスプランク量子光学研究所に長期滞在し、ミュンヘン大学の協力研究者らと、実験を実施するための準備を重ねた。しかし、同レーザーシステムの移転計画が急遽浮上し、実験を実施できる見込みが断たれた。その代わり、EU全体としての出資が確定している遥かに高強度のレーザーシステム、Extreme Light Infrastructureへ向けた研究計画をミュンヘン大学の共同研究者らと立案することに専念した。この過程で、レーザーがより高強度になると、熱輻射に加え、さらに未観測の輻射機構が存在すること、また、レーザー・電子相互作用に限らず、レーザー・レーザー相互作用によっても、新種の輻射機構が存在し得ることを見出すこととなった。故に、レーザー場については、より一般的な衝突系で輻射を議論することが、学問の裾野を広げることに繋がるという展望が得られた。 強い相互作用(QCD)をする場からの輻射探索について: 米国ブルックヘブン国立研究所で実施されている高エネルギー原子核衝突において、パートンが感じる加速度が最大になる方向として、ビーム軸上に出る輻射を探索することを目指して、解析コードの準備を進めた。 上記の研究は、QEDおよびQCDという力学の詳細に依らず、高強度場が高加速度場となることが本質である。こういった視点に基づき、国際会議Physics in Intense Field (PIF2010)をKEKにて開催し、そのプログラム編成委員としてQEDおよびQCDの専門家を集め学術交流を深めた。
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Research Products
(4 results)