2009 Fiscal Year Annual Research Report
トンネル電流型高精度変位計を用いた非標準的な相互作用の探査
Project/Area Number |
21654037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 正孝 The University of Tokyo, 宇宙線研究所, 特任研究員 (00447533)
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Keywords | 素粒子標準理論 / 余剰次元 / カシミール効果 / 素粒子実験 |
Research Abstract |
この研究では量子電磁力学が予言する量子場の零点振動力(カシミールカ)を素粒子標準理論の予想を越えた相互作用を実験的に検証する事を目的とする。特に空間の余剰次元を仮定したエギゾチックな素粒子理論の検証を行う。具体的にはねじれ秤の片側に金の球面境を取り付け、その向かいには金の平面鏡を設置する。ねじれ秤のねじれの角度は光てこによって測定し、常にねじれの角度が一定となるようにフィードバック制御を用いる。またねじれ秤の並進運動を測定するために変位センサーを組み込み、並進方向に関してもフィードバック制御をおこなう。この2重のフィードバック制御を行うことによって、従来の手法より高感度で非標準理論を検証可能な装置を開発する。この装置によって高い有為性にて余剰次元をはじめとする標準理論を越えるエギゾチックなモデルの検証を行う。 今年度はねじれ並進運動測定のためにレーザー変位計を購入した。またねじれ秤に近付ける極板の位置を周期的に動かす変調法を用いるため、振幅の安定性及び温度ドリフトによる影響が十分小さい特殊な駆動系が必要となる。そのため線膨張係数が一般的な金属よりも2桁小さいスーパーインバーを用いた駆動ステージを特注で作製した。これにより0.2℃以下の温度変動であれば位置のずれは2nm以下となる。今後、この2つの装置を組み込んだ2重フィードバック制御を行い、並進運動とねじれ運動の2つのモードをフィードバック制御する方法を確立する。またねじれ方向のフィードバック制御を用いた測定データを元にした解析結果及び素粒子標準理論を超えるひとつのモデルへの物理的制限についてまとめ、その結果がPhysical Review Letters誌に掲載された(Phys.Rev.Lett.102, 171101(2009))。さらにその内容を元により一般向けの内容を日本物理学会に投稿し、日本物理学会誌の「最近の研究から」に掲載された(2010年3月号195-199)。
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Research Products
(4 results)