2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654039
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 好一 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20283632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 統悦 東北大学, 金属材料研究所, 技術補佐員 (50125580)
大山 研司 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (60241569)
山本 篤史郎 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (40334049)
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Keywords | ホログラフィー / 中性子散乱 / 三次元原子像 / 局所構造 / 磁気構造 |
Research Abstract |
平成22年度は、新しいホログラフィー装置開発と、磁気散乱中性子線ホログラフィーの理論的な考察を行った。装置開発に関しては、従来、使用していた蛍光X線ホログラフィー装置の大部分を転用するが、特に磁気散乱中性子線ホログラフィー用に改変させるために、新しい大型の二軸回転ステージを導入した。また、偏極中性子線の偏極度が、強磁性試料の磁場によって大きく変化するため、試料周りを消磁するための磁石や閉磁束回路などの設計を行った。理論的な考察に関しては、磁気散乱中性子線ホログラムの形成プロセスにおいて、磁気モーメントによってスピンがフリップした波とフリップしない波とが干渉するか否かの検討を行った。ここでは、入射中性子線の波動関数に対し、さらにスピンの波動関数を取り込むことにより解析を進めた。最初の考察では、単純な係数設定を用いて式の構築と計算を行ったが、最終的に規格化条件を満たすためには、散乱波の波動関数をゼロにする必要があり、物理モデルに矛盾することが分かった。従って、スピンフリップが生じる場合には、通常の部分波展開によるアプローチが必要であることが分かった。また、各スピンごとの波動関数は、相手がゼロなので境界点で上手く接続できないため、さらに掘り下げたレベルで議論を進める必要があることが分かった。上記、考察に加え、スピンフリップを起こさない磁気散乱の場合には、間違いなくホログラムを形成するため、磁気モーメントに対し、アップとダウンの中性子線を入射し形成される理論ホログラムの差分から、間違いなく磁気散乱に起因する原子の像が抽出させることが分かった。
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Research Products
(7 results)