2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654039
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 好一 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20283632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 統悦 東北大学, 金属材料研究所, 技術補佐員 (50125580)
大山 研司 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (60241569)
山本 篤史郎 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (40334049)
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Keywords | ホログラフィー / 中性子散乱 / 三次元原子像 / 局所構造 / 磁気構造 |
Research Abstract |
平成23年度は、震災の影響で実験を行うことは出来なかった。しかしながら、磁気散乱ホログラフィーの理論的検証とJ-PARCのパルス中性子線を用いた1スキャン多波長ホログラム測定の実行可能性についての議論を行った。磁気散乱中性子線ホログラフィーについては、アップスピンの偏極中性子線とダウンスピンの偏極中性子線をそれぞれ、磁気モーメントを持つ原子に照射させた場合の理論計算を行った。その結果、全くコントラストが反転したホログラムパターンが得られ、差分を取ることにより磁気モーメントを持つ原子のみをイメージングさせることが可能であることを示した。一方で、実際の測定の場合、強磁性材料が試料となる。この場合、試料の作り出す磁場が偏極中性子のスピンの向きに影響を与えることが明らかとなった。このため、磁場の方向にスピンがどの程度の飛程距離で追随するのかを調べたら、15mT程度の磁場によって約1cm程度で追随することが分かり、ネオジウム磁石をゴニオメータに取り付けることでも、十分追随させることができることが判明した。また、これまでの中性子線ホログラムは単波長で測定したものであり、アーティファクトも比較的多い。そこで、高強度の白色中性子線が利用できるJ-PARCの利用による、多波長ホログラム記録の検討を行った。その結果、従来のパルス中性子技術で培われてきたTOF(Time of Fight)技術をホログラフィー測定に応用できることが分かった。これが実際に遂行されれば、蛍光X線ホログラフィーのように波長毎にホログラム測定を行う必要はなく、一度のスキャンでかなり広いk-range(波数空間)の多波長ホログラムが測定できる可能性が示された。
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Research Products
(5 results)