2010 Fiscal Year Annual Research Report
位相制御パルス光によるチラコイド膜中光合成活性律速因子の解明
Project/Area Number |
21654040
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
三沢 和彦 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80251396)
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Keywords | 位相制御パルス / チラコイド膜 / 光合成活性 / 酸素濃度測定 / 可視域光パルス |
Research Abstract |
本研究では、フェムト秒波形整形パルスによるフラッシュ励起と非破壊酸素濃度計による電子伝達測定を組み合わせることにより、チラコイド膜内でエネルギー移動を律速している条件を明らかにする全く新しい方法を開発した。電荷分離過程観測系は、(i)光合成試料を分光するための波長変換用フォトニッククリスタルファイバー、(ii)時間分解分光のための波形整形用反射型4f-SLM光学系、(iii)酸素濃度測定-時間分解分光系、の三部構成となっている。ホウレンソウからチラコイド膜を遠心分離と薬品処理にて抽出し、測定試料とした。光学式酸素センサーにて光照射箇所での酸素濃度を測定した。これらの装置を用いて、照射パルス波形と発生する酸素分圧との相関を詳細に調べた。その結果、以下の知見を得た。 (1)電子の二次受容体であるキノン濃度に対する依存性:チラコイド膜試料中にキノンがなければ酸素発生が起きず、キノン濃度が増加するに従って酸素発生量が増加することがわかる。これにより、電子の二次受容体への電荷移動を直接酸素発生によってモニターできることが立証された。 (2)パルス列励起による光合成効率の測定と制御:ハロゲンランプによる電荷分離過程と波長変換したパルス列による電荷分離過程を比較した。フィルターを用いて同一波長および強度の条件下では類似した酸素濃度変化を確認でき、同じ電荷分離過程が起きていることが確認できた。現状ではフェムト秒パルス列は連続光励起と等価である。なお、ハロゲンランプおよび波長変換パルス列のどちらの照射下においても、酸素濃度変化ではあらわな濃度上昇は見られなかった。これは呼吸と酸素発生が釣り合っているためだど考えられる。
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Research Products
(2 results)