2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654042
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
江馬 一弘 Sophia University, 理工学部, 教授 (40194021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 東己 上智大学, 理工学部, 教授 (50201976)
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Keywords | 光局在 / アンダーソン局在 / ナノ結晶 / ナノコラム / ランダムレーザー |
Research Abstract |
21年度の前半は,ランダム配列の詳細な実験を可能にするための顕微分光システムを立ち上げた.ナノコラムは自己成長型の結晶であるため,広い範囲で観測すると結晶性の悪い部分や配列の仕方が異なる部分が入ることがある.そのために,共焦点系の顕微分光系を組み立てた.その結果,1μm程度の分解能での観測が可能となった.この分解能はナノコラムを1本ずつ観測できるほどではないが,光の局在現象を観測するには十分である.また,後半では,ランダムレーザー発振に関する詳細な実験を行った.ランダム配列を制御した試料を作成し,試料の領域を変えてランダムレーザー発振のモード数の変化を詳細に調べた.本研究のように,ランダム性を自在に制御した試料での測定は世界に類をみないものであり,光局在の物理の解明に大きな貢献を与えるものと思われる. また,計算ではナノコラムの配列を2次元的として,光の局在の程度をQ値を用いて計算し,コラム密度や領域サイズ依存性を議論した.ランダム配列の光学特性の計算は2次元の時間領域差分法(FDTD法)を用いた.ナノコラム配列は3次元構造なので,最終的には3次元で計算を行う必要があるが,計算機能力の制約もあることと,最初は基本的な振る舞いを確実に理解しておきたいという理由から,21年度は2次元での計算を行った.また,拡散長や自己相関関数などの統計的な処理も行い,数値計算の結果と実験の結果との対応を評価した. 22年度はこららの成果を発展させて,ランダム配列ナノコラムのマクロな光学現象の解明を確立させていく.
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