2009 Fiscal Year Annual Research Report
X線自由電子レーザーを利用する液体構造3次元解析法開発に向けて
Project/Area Number |
21654050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八尾 誠 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (70182293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永谷 清信 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (30273436)
川北 至信 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (50264015)
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Keywords | X線自由電子レーザー / 液体構造解析 / ナノ液滴 / 逆モンテカルロ法 / 極紫外自由電子レーザー / 室温イオン液体 / 構造モデリング |
Research Abstract |
X線自由電子レーザー(XFEL)完成時に速やかにこれを利用するために、XFELの試験機としてSPring-8内に建設され共同利用に供されている極紫外自由電子レーザー(EUV-FEL)を使って予備的な実験を行った。試料としては、実験装置への汚染等の負担が少ない希ガスをクラスターとして噴射したものを採用した。具体的には、アルゴンやキセノンをノズルから超音速ジェットとして噴出した。アルゴン、キセノンいずれのクラスターについても、レーザー光の吸収に伴ってクラスターから放出される光電子数は、クラスターサイズが小さい時には、サイズに比例するが、サイズが大きくなると飽和効果のため、光電子放出の効率が著しく低下することを見出した。なお、これらの実験では、多数のイオンの3次元運動量を同時に検出するため、不感時間を極力抑制した計測法を用いた。次に、液体試料を噴出するために、エレクトロ・スプレー・イオン化を利用する試料作製装置を設計・試作した。試料としては、蒸気圧が著しく低い、室温イオン液体を念頭においている。将来、XFELのコヒーレント光を利用した構造モデリング手法を開発するため、まずこのイオン液体の平均構造を特定し構造モデルを構築する必要がある。そのため、典型的なイオン液体である【C4mim】[PF6]について、従来の放射光を用いた回折実験を行い、構造解析を行った。また、イオン液体の物性については、これまでの研究成果をまとめて国際会議で招待講演として発表した。
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Research Products
(4 results)