2011 Fiscal Year Annual Research Report
X線自由電子レーザーを利用する液体構造3次元解析法の開発に向けて
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21654050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八尾 誠 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70182293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永谷 清信 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (30273436)
川北 至信 日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究員 (50264015)
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Keywords | 自由電子レーザー / 液体の中距離構造 / 室温イオン液体 |
Research Abstract |
室温イオン液体の構造解析の可否について評価するために、これまでに従来のX線回折などで得られている構造情報をもちいてXFELで得られるスペックル像の再構成を行い、評価を進めた。サイズの異なるいくつかのイオン液体液滴についてスペックルパターンを得ることが出来、スペックルパターンには明瞭な液滴サイズ依存性が見られた。特に像の強度分布の周期に現れる液滴サイズ依存性から、XFEL実験で必要とされる試料サイズなど、実験遂行のための条件などについての情報が得られた。 XFFL施設であるSACLAを利用して、XFELパルスによるシングルショットX線回折実験の技術開発および予備的な測定を行った。液体試料を真空中に導入可能な液体ジェット装置を用いていくつかの高分子微結晶を導入し、XFEL照射によって得られる回折像の取得を試みた。実験を行うために、液体ジェット導入可能な高真空チャンバー、装置の精密位置調整機構、散乱光除去光学系、X線検出器などの開発と調整を進めた。マイクロメーターオーダーの微結晶を試料とした計測からはXFELパルス1ショット毎に明瞭なラウエ回折像が観測され、1ショットXFEL回折によって構造解析が可能なことを確認した。これらの予備的なデータから、高品質のX線回折取得のために必要な装置の精度についての知見を得ると共に、目的とする液体試料で必要となる集光条件を始めとする種々の条件についての知見を得た。以上の予備実験を通して、実機で行う実験のための装置改造や解析手法の検討を進めた。
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Research Products
(7 results)