2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654053
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
樋上 和弘 Naruto University of Education, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (60262151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 斉 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70192771)
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Keywords | トポロジー / エントロピー / 量子不変量 / チャーン・サイモンズ不変量 |
Research Abstract |
ジョーンズおよびウィッテンによってチャーン・サイモンズ汎函数を用いた量子不変量が構成されて以降、量子トポロジーは数学・物理両サイドから活発に研究されてきた。トポロジーにおいて結び目は興味深い研究対象であるが、物理的には結び目群は非アーベル型統計性を持つ粒子として理解することができる。この統計性はある種の量子ホール系で実現されると期待されており、実験・理論の双方から活発に研究されている。量子トポロジーの最先端の手法をこうした物理系に適用し、位相的量子計算に応用しようとするのが本研究の目的である。 研究初年度に当たり、主に電子メールを用いて代表者・分担者間の連絡を密にとり、量子不変量をいかに量子情報へ応用するかについての議論を行った。物理量と結びつける際に重要な、量子不変量のある漸近値について共同研究を推進中である。また、チャーン・サイモンズ量子不変量20年を記念して開催された国際研究集会において、代表者・分担者ともに招待講演を行った。 量子計算を効率よく行うためには、量子効果を最大限利用することが必要とされる。こうした量子効果の度合いを測る指標の代表的なものにエンタングルメント・エントロピーがある。しかしながら、多粒子系においてエンタングルメント・エントロピーを厳密に計算することは一般には大変困難である。本年度は、ある多様体のもつエントロピーについて研究を行った。共形場理論の立場から、多様体の位相不変量とエントロピーとの新しい関係を見いだし、いくつか具体的な計算を行った。
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Research Products
(7 results)