2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造ファイバーリング共振器に現れる新規光学現象
Project/Area Number |
21654055
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
冨田 誠 Shizuoka University, 創造科学技術大学院, 教授 (70197929)
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Keywords | 光ファイバー / リング共振器 / 遅い光 / ファノ効果 |
Research Abstract |
ナノ構造光ファイバーリング共振器を研究対象とし、この系での新しい物理現象の探求、新しい光技術への応用を目的とする。 1.高品位の通信用光ファイバーを、フレームバーナーで加熱、伸延することによってナノ構造光ファイバーを作製した。この方法は、伸延のスピード、引っ張り力などが非常にデリケートである。このため、微小球のウイスパリングギャラリーモードとの結合特性を測定することによってナノ構造光ファイバーの特性評価をおこなった。この結果、単一の微小球モードとの臨界結合を実現することができ、ナノファイバー中の光について単一モード伝播が実現されていることが確認できた。ナノファイバーの光透過率の測定なども進めた。 2.リング共振器による分散制御の原理検証実験に使用する目的で、単一モード波長可変レーザーからの連続光をLN(=LiNbO_3)変調器で時間的に切り出すことで光パルスを発生させた。実験と理論との詳細な比較を行うためには、発生するパルスの時間幅を正確に制御する必要があるが、このシステムにより時間幅、5ns~500ns程度のきれいなガウス型パルスを発生させることができた。 3.科研費の申請計画に従って、ナノファイバーによる実験と平行して、通常のファイバーを用いた新しい光学現象の原理検証実験を進めた。特に、Add-Drop型のファイバー共振器を利用してEIT(Electro-magnetic Induced Transparency:=電磁誘導透明化現象)型のスペクトル構造を作り出した。さらに、2つのリング共振器の共鳴周波数が離調している場合には、透過スペクトルに著しい非対称性をもった特徴的なスペクトル構造が現れ、これをFano型干渉効果によって説明した。
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Research Products
(5 results)