2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654068
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
隅田 育郎 金沢大学, 自然システム学系, 准教授 (90334747)
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Keywords | 地すべり / 地下水 / 浸透流 / 湿った砂 / 圧力 / 間隙水圧 |
Research Abstract |
本年度は、湿った砂(水分を一部に含むため乾いた砂よりも強度が1桁以上大きい)の直方体の柱に地下水が浸透した際に誘発される地すべりの全過程の画像、変位、圧力・間隙水圧データの詳細な解析を行った。画像は直交する3方向から同時撮影したものであり、これらを一定時間間隔で並べた図を作成して解析を行った。その結果、地すべりは必ず地下水が砂柱の通過した後に起きることが判明した。また地下水位の上昇に伴い、地すべりの回数が0から2まで増大した後に、柱全体が水圧によって押される土石流に遷移することが分かった。実験の最中にはレーザー変位計を用いて、鉛直変位を計測を行った。変位が5mm、及び10mmを超過した時間を特徴的な時間(τ)と定義して、地下水位の関数として整理した。その結果、水位の増大の伴い、τが減少することが分かった。地下水の浸透は、非線形の拡散方程式の形で記述でき、浸透率をパラメータとして、浸透に要する時間を数値的に求めることが出来る。データと比較したところ、浸透率がk=2-5x10^-11m^2の値で、τの地下水位依存性が定量的に説明できることが分かった。一方で、浸透率の値はKozeny-Carmanの式を用いて推定することが出来る。用いた砂を球形と近似した場合の浸透率は1x10^-10m^2程度、扁平として場合だと5x10^-12m^2となる。上で求まった値はその間にあり、整合的である。また、実験の最中の底面と側面における圧力と間隙水圧の時間変化については、すべての実験について解析を行い、時間変化の様子を求めた。その結果、地すべりが起きる前に、底面における圧力が減少し、側面における圧力が増大することが判明した。これは圧力計測が、地すべりのモニタリングに有効であることを示唆している。
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Research Products
(16 results)