2009 Fiscal Year Annual Research Report
鉄マンガンクラストのヨウ素129による超新星爆発確認と古地磁気層序による年代推定
Project/Area Number |
21654071
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小田 啓邦 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 地質情報研究部門, 主任研究員 (90356725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 朗 高知大学, 理学部, 教授 (20356570)
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Keywords | 地球史 / 超新星爆発 / 放射性同位体 / 古地磁気層序 / 地球環境変動 / ヨウ素 / 磁鉄鉱 |
Research Abstract |
鉄マンガンクラストは海山あるいは深海底に海水起源鉱物として生成される。鉄マンガンクラストの岩石磁気学的研究は古くは(Ozima、1967)などの先駆的研究があるものの、その後磁性鉱物同定につながるような系統的な研究はなされてこなかった。我々は北西太平洋の正徳海山からドレッジされたD96-m4試料(38°48°7'N、138°19°14'E、water depth 1940m)の岩石磁気学的検討を進めた。我々のこれまでの研究により、上記試料から作成した薄片試料に対してSQUID顕微鏡による極微細残留磁化測定を行い、mm以下のスケールで記録された地磁気逆転縞模様パターンを得ることができ、成長速度が5mm/Myrと推察された。熱磁化測定および高温帯磁率測定によりキュリー温度は550-570℃であることが推察されたが、粉末X線回折および低温磁性の測定は磁鉄鉱に特徴的なピークあるいはVerwey転移は示さなかった。いっぽうで、分析電顕によるとFe、Ti(~7%)、Al、Mgを含む数十ミクロンサイズのいくつかのチタン磁鉄鉱の存在を示唆し、SQUID顕微鏡で観察された強い双極子磁場発生源と一致する。これは、海山を構成している伊豆小笠原弧を起源とするものと考えられる。フェルウェー点が観察されなかったのは、Tiが7%程度を越えているためと理解することができる。EBSDを用いて数ミクロンサイズの磁鉄鉱が存在することが明らかになった。また、ヨウ素同位体の分析手法について、加速器質量分析計を使用する方法と多重ガンマ線検出器による方法の2点について検討を行っている。さらに、過去数百万年間の超新星爆発の可能性について太陽系近傍の恒星データベースを用いて検討を進めている。
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