2010 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ先進活用による新素材グラフェンの創製と新奇機能創出への挑戦
Project/Area Number |
21654084
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
畠山 力三 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00108474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 俊郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30312599)
加藤 俊顕 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20502082)
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Keywords | グラフェン / ソフトプラズマ / ドーピング / バンドギャップ / 電界効果トランジスタ |
Research Abstract |
プラズマ先進活用による新素材グラフェンの創製と新奇機能創出の各段階二年度計画に基づき,以下の成果が得られた. 1.熱CVDとプラズマCVDによるグラフェン合成実験が同一配位下で行うことが可能な,広気圧領域RFプラズマCVD装置を用いて,グラフェン合成におけるプラズマ効果の解明を行った.その結果,熱CVDではグラフェン合成に975度の高温状態が必要であるのに対し,プラズマCVDを用いることで625度まで合成温度の低温化が可能であることが明らかとなった.これはプラズマ中の高エネルギー電子により原料ガスの解離が促進されたことに由来すると考えられる.合成したグラフェン構造をラマン分光分析の空間マッピングにより評価すると,熱CVD合成の場合に比べ,プラズマCVDを用いた場合,個々のグラフェン結晶の大きさが小さくなることが判明した.これはプラズマ中に多量に存在する原子状水素により,グラフェンエッジのダングリングボンドが終端され二次元平面方向の成長が抑制された結果によるものと思われる. 2.グラフェンの電気伝導特性制御に向けて,アンモニアプラズマを用いた室温下でのグラフェンエッジ選択修飾を試みた.その結果,プラズマ条件を最適化することで,グラフェンのエッジのみに選択的に窒素含有ラジカルを修飾することに成功した.さらに,エッジ修飾グランフェンの電気伝導特性を測定した結果,電荷中性点(ディラックポイント)がゲート電圧における負方向に大きくシフトすることが判明した.これは,エッジ選択修飾により,グラフェンに対して電子がドーピングされたことによるものと説明できる.
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Research Products
(62 results)