2009 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ反応場を用いた先進的タンパク質合成・分解技術の開発
Project/Area Number |
21654085
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
永津 雅章 Shizuoka University, 創造科学技術大学院, 教授 (20155948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 明久 静岡大学, 創造科学技術大学院, 助教 (90377721)
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Keywords | プラズマ / タンパク質 / 機能制御 / 不活化 / 低温プロセス / バイオ高分子 / プラズマジェット / アミノ酸 |
Research Abstract |
本研究では、ペプチドなどのバイオ高分子材料を低圧および大気圧プラズマジェットによって低温下で分解し、バイオ材料の有する生物機能の不活化を実証することを目的としている。また、並行してナノキャピラリーを用いた大気圧プラズマジェットのナノサイズ化に関する研究を実施する。以下に平成21年度に実施する実験項目を列記する。 (1)低圧放電プラズマを用いたアミノ酸分解実験:本実験では、タンパク質構成要素であるアミノ酸をサンプルとして用い、純水など溶液中に溶解させたアミノ酸をシリコン基板上に液滴状態で保持し、アルゴンあるいは酸素プラズマによる照射実験を行った。イオン照射エネルギーを変化させた場合のアミノ酸の構造変化をXPS解析により調べた。 (2)プラズマ照射によるペプチド分解実験:エンドトキシンを構成するリポ多糖体は、いわゆるペプチドの一種である。本研究では、サンプルとして両生類などの浸透圧調整を行うペプチドホルモンであるバソトシンを用い、プラズマ処理したサンプルの生物機能特性やXPSなどの分子組成の変化を調べた。結果は、明らかな浸透圧機能が失われ、分子組成の特徴であるジスルフィド結合(S-S結合)が完全に分離している結果が得られた。 (3)ナノキャピラリーを用いた大気圧プラズマジェットのナノサイズ化:タンパク質に対して数100nmオーダーの選択的分子操作を可能にするため、大気圧プラズマジェットの微細化に関する実験を行った。取り出し口に口径100nmのキャピラリーを用いたプラズマジェットのプローブによる検出に成功しており、プラズマジェット流の伝搬速度の空間的変化を静電プローブにより測定し、伝搬特性を明らかにした。 (4)研究成果の発表:上記研究で得られた成果は、学術論文に8編、国際会議に9件、国内学会に18件、発表を行った。
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