2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21655018
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山内 美穂 Hokkaido University, 触媒化学研究センター, 准教授 (10372749)
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Keywords | CuPd / ナノ粒子 / 2-エトキシ-エタノール / TEM観察 / 粉末X線回折 / 放射光 / 不規則合金 |
Research Abstract |
化学プロセスにおける"省エネルギー化"が環境問題解決の鍵であり、高性能触媒の開発は急務の課題である。ナノメートルサイズの合金は触媒として優れた性質を示すが、更なる高性能化には、金属配列、幾何構造の原子レベルでの精密な設計が求められる。しかし、金属が規則的に配列した規則合金のナノ粒子を得るのは困難であり、ましてや触媒へ適応された例は皆無である。本研究では直径数ナノメートル程度の"規則合金ナノ粒子触媒"を創製し、高性能触媒の探索を行う。構成金属が原子レベルで混合した固溶体型合金ナノ粒子は金属間の相乗効果により単純金属ナノ粒子では観られない特性が発現する。さらに、合金ナノ粒子中の構成金属原子の配列を制御することが出来れば、これまでにない高性能の触媒の発現が期待される。 本年度は固溶体型CuPdナノ粒子の湿式法による作製とその水素圧力下での変化を詳細に調べた。此れまでに、高沸点溶媒による加熱による金属塩の還元によりCuPdナノ粒子が作製例が報告されている。その場合、Pdが先に還元され、Cuが後から還元される為、Pdコア・Cuシェル型の相分離型の粒子構造をとると考えられる。本研究では、Pdイオンの還元速度を抑え、Cuイオンと同時に還元するため、溶媒を水にし、還元剤に無機水素化物を用いて還元をおこなった。この結果、CuとPdがよく混合したCuPdナノ粒子を得ることに成功した。 更に、さあざまな条件下で作製した粒子を処理することで、fcc、bccに加え、規則構造を取る粒子を得ることに成功した。また、高沸点溶媒とNaBH4還元を併用した小粒径の合金ナノ粒子合成にも成功しており、今後、構造による触媒能の違いについて研究を進めるつもりである。
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