2009 Fiscal Year Annual Research Report
RNA/DNAハイブリッド特異的結合リガンドの創製と小分子RNA解析
Project/Area Number |
21655023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 精一 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (40281969)
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Keywords | マイクロRNA / ハイブリッド / 相互作用 / リガンド / 検出 / 脱塩基部位 / 蛍光 / A型構造 |
Research Abstract |
本研究は、『マイクロRNA(miRNA)を標的とする核酸結合リガンドを創製、これをベースにPCR増幅を不要とするmiRNA解析法を開発すること』を目的とする。具体的には、miRNAと相補的な塩基配列を有する脱塩基部位(AP site)含有プローブRNA(DNA)をハイブリダイゼーションさせることで、RNA/RNA二重鎖(RNA/DNAハイブリッド)を形成、形成したRNA/RNA二重鎖(RNA/DNAハイブリッド)を蛍光性リガンドで検出するもので、核酸プローブ中にAP siteを設けることで、標的RNA/RNA二重鎖(RNA/DNAハイブリッド)の特異的かつ高感度検出が可能になると期待できる。平成21年度は、RNAプローブを利用することで、蛍光性ピラジン誘導体(アミロライド)が優れた検出機能を発現しうることを見出した。 アミロライドとモデルRNA二重鎖(5'-UUUUCCUUC UXU UCCUUCCCC-3'/3'-AAAAGGAAG AUA AGGAAGGGG-5',X=AP site)との相互作用を蛍光滴定法により評価した。その結果、アミロライドがAP site含有RNA二重鎖と特異的に結合すること、また、結合に伴って蛍光強度が増大することがわかった。結合親和力(解離定数)は、9.5nMに達しており、DNA二重鎖(740nM)と比較して、RNA二重鎖では結合親和力が飛躍的に増大した。これは、RNA二重鎖がピッチ間隔の短いA型構造をとるため、B型構造をとるDNA二重鎖と比べて隣接塩基とのスタッキングがより効果的に寄与するためと考えられ、結合エネルギーの熱力学的解析の結果もこれを支持している。また、1et-7aを標的とした場合、63fmol(0.38ng)のmiRNA検出が可能であり、現在、さらにリガンドの検出機能の改良を進めている。
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Research Products
(15 results)