2009 Fiscal Year Annual Research Report
自動濃縮機能を有するナノパターン化AFM基板を用いる超高感度超微量分析
Project/Area Number |
21655027
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
木村 恵一 Wakayama University, システム工学部, 教授 (50107140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門 晋平 和歌山大学, システム工学部, 技術職員 (10423253)
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 / ナノパターン / 自動濃縮 / 超高感度分析 / 超微量分析 / 相互作用力 / 摩擦力 |
Research Abstract |
ナノパターン化基板の作製とそのAFM測定を行った。天然マイカに金をスパッタ蒸着して作製した金基板上に末端カルボキシル基あるいはスルホン酸基を有するアルカンチオールの自己集合単分子膜(SAM)を形成させた。その上に、テンプレートであるシリカコロイドを析出させたのち、再び金をスパッタ蒸着し、SAM形成、ついで超音波処理よるシリカコロイドの除去を行うことで、ナノパターン(ホールとそれに対応するSAMの化学パターンをもつ)基板を得た。 得られたナノパターン(シリカコロイドのサイズに相当するホールが複数個形成された基板)のAFM測定を行った。形状像および摩擦力像を測定して、形状(ホール)と合致する摩擦力分布を確認し、ナノパターン形成を確認した。サイズが数十nm程度までのパターンを形成できることを確認したが、摩擦力像と形状像の合致した結果を得るには、100nm程度のサイズが必要であった。また、パターン(ホール分布の規則性・密度)の制御は困難であった。再現性よくAFM測定を行えて、かつ、できるだけ小さいサイズのパターンを得る条件としては、ホールサイズを100~200nmにするのが適当と結論した。さらに金属イオンの検出の試みとして、15-クラウン-5のSAMで化学修飾したAFM探針で金属イオンの摩擦力イメージングを行うとともに、探針走査速度の影響を検討した。その結果、走査速度による摩擦力信号およびその金属選択性に対する顕著な影響が認められた。本検出系における測定条件として、走査速度の重要性が明らかになった。
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