2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21655044
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佃 達哉 Hokkaido University, 触媒化学研究センター, 教授 (90262104)
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Keywords | 魔法数クラスター / super-atom |
Research Abstract |
数~数十個程度の金属原子が会合した(直径1nm以下)金属クラスターは,バルク金属ではみられない特異的な電子構造・幾何構造をもつことから,新規機能性物質の機能単位として大きな潜在能力を秘めている.特に「魔法数」と呼ばれる特定の構成原子数からなる金属クラスターは極めて高い安定性を示すことから,構成単位の候補として有望である.金などの貨幣金属クラスターでは,電子構造が殻構造をもち,あたかも一種の原子(super-atom)として振る舞う.本研究の目的は,魔法数金クラスターの連結体(super-molecule)の構築法を開発し,集積度に応じて発現する機能の探索を行うことである. 代表的なチオラート保護金クラスターのAu_<38>(SR)_<24>については,2個の正二十面体Au_<13>クラスターが1面を共有しながら,3個の(-SR-Au-SR-)で連結された構造が理論的に予想されている.本年度は,単結晶X線構造解析によるAu_<38>(SR)_<24>の構造決定を試みた.様々な構造のチオラート配位子をもちいて高純度のAu_<38>(SR)_<24>を合成し,単結晶化を試みたが,期間内に良質な結晶を得ることができなかった.そこで放射光施設で粉末X線構造解析を行い,理論研究者と共同で,構造推定を行った.その結果Au_<13>が連結した構造の周囲を金チオラートオリゴマーがキラルな配置で配位した構造を得た(論文投稿中).
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