2009 Fiscal Year Annual Research Report
アクチニド原子を高度に認識する機能性配位子の分子設計と精密合成
Project/Area Number |
21655051
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森 敦紀 Kobe University, 工学研究科, 教授 (90210111)
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Keywords | アクチニド / 機能性配位子 / TPEN / ピリジン誘導体 / マイクロウェーブ / ピラジン / 疎水性置換基 / 精密合成 |
Research Abstract |
アクチニド原子を高度に認識する機能性配位子としてTPEN誘導体の分子設計および精密合成をおこなった。精密有機合成の技術を基盤に多様かつ斬新な構造のTPEN誘導体を合成をめざし,その合成のための有機合成法を開発するとともに,新規な構造のTPEN誘導体合成をおこなった。ピリジン骨格に置換基を導入するための種々の変換反応,ピリジン以外の窒素原子をもつヘテロ環骨格としてピラジン骨格をもつ誘導体の合成をおこなった。また,エーテル結合を介さずに炭素原子のみによる置換基を導入するための合成法開発をおこなった。 1.ピリジン骨格に置換基を導入する反応において,マイクロウェーブ照射下に4ーニトロピリジンオキシドと種々のアルコールとの置換反応をおこなったところ,反応時間の飛躍的な短縮および合成収率の向上を達成することに成功した。この反応を利用することにより,疎水性の高い,オクチルオキシ基,2-エチルヘキシルオキシ基,ドデシル基などで置換したピリジン誘導体を合成することができ,これらをTPEN誘導体へと変換することにも成功した。 2.ピラジン骨格をもつTPEN誘導体の合成に成功した。ピラジン骨格上に疎水性を向上させる効果のあるメチル基を導入した誘導体および,ブテニル基を有する誘導体合成に成功した。 3.エーテル結合を介さずに炭素原子のみによる置換基の導入法として,カルバニオンを利用する方法,遷移金属触媒によるカップリング反応による方法を検討し,カルバニオンの一種である有機リチウム種を利用することにより目的とするピリジン誘導体を合成することに成功し,TPEN誘導体へと効率的に変換することができた。
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Research Products
(4 results)