2010 Fiscal Year Annual Research Report
アクチニド原子を高度に認識する機能性配位子の分子設計と精密合成
Project/Area Number |
21655051
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森 敦紀 神戸大学, 工学研究科, 教授 (90210111)
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Keywords | アクチニド / 機能性配位子 / TPEN / ピリジン誘導体 / トリアゾール / [2+2+2]環化付加 / フルオロアルキル基 / 四重クリック |
Research Abstract |
アクチニド原子を高度に認識する機能性配位子としてTPEN誘導体の分子設計および精密合成をおこなった。精密有機合成の技術を基盤に多様かつ斬新な構造のTPEN誘導体を合成をめざし,その合成のための有機合成法を開発するとともに,新規な構造のTPEN誘導体合成をおこなった。ピリジン骨格に置換基を導入するための種々の変換反応,ピリジン以外の窒素原子をもつヘテロ環骨格としてトリアゾール骨格をもつ誘導体の合成をおこなった。また,ピリジン骨格の新規な合成法についても検討した。 1.ピリジン骨格に置換基を導入する反応において,フルオロアルキル基をもつTPEN誘導体の合成をおこなった。フッ素原子を3個から20個もつ誘導体の合成に成功し,アクチノイド原子認識のための予備的な実験として,ソフト金属の一種であるカドミウムイオンの抽出性能を調べた。その結果,既存のTPEN誘導体にくらべ,飛躍的に酸性条件下での抽出性能の向上が見られた。 2.トリアゾール骨格をもつTPEN誘導体の合成に成功した。この誘導体の合成法として四重クリック反応を検討し,効率的な合成法となりうることが明らかになった。また,カドミウムイオンの抽出実験の結果,既存のTPENと遜色ない抽出性能を示すことが明らかになった。 3.ピリジン骨格の新規な合成法として[2+2+2]環化付加に着目した。ルテニウム触媒を用いるとTPEN誘導体へと変換可能なピリジン誘導体が合成できることが明らかになった。合成したピリジン誘導体を用い,TPEN誘導体を合成し,カドミウムイオンの抽出をおこなった。
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Research Products
(2 results)