2009 Fiscal Year Annual Research Report
非食系バイオマスからの生分解性開始システムを有する高性能バイオプラスチックの開発
Project/Area Number |
21655055
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩田 忠久 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (30281661)
|
Keywords | 生分解性ポリエステル / プラズマ処理 / アクリル酸修飾 / 非食系バイオマス / 生分解性開始システム / ヘミセルロース / エステル誘導体 / フィルム |
Research Abstract |
糖や植物油を原料として微生物により生合成された生分解性ポリエステルのフィルム表面にプラズマを照射し、表面上に励起ラジカルを発生させた後、アクリル酸溶液に所定時間浸せきし、フィルム表面上でアクリル酸を重合させた。これにより、微生物産生ポリエステル分解酵素のフィルム表面への吸着が阻害され、酵素分解性を消失させることに成功した。しかし、このフィルムを粉砕し、酵素分解を行ったところ、酵素分解は進行したことから、粉砕という物理的方法により酵素分解性を開始させることが出来ることがわかった。 一方、非食系バイオマスを用いたバイオプラスチックの創出に関する研究にも着手した。木材はセルロース35%、ヘミセルロース35%、リグニン30%から構成されている。本研究では、これまで全くプラスチック原料として利用されていないヘミセルロースの利用を試みた。木材から製紙会社で生産されるクラフトパルプは、ヘミセルロースを10~25%含有していることが知られている。そこで、アルカリ抽出により、ヘミセルロースを溶出させ、凍結乾燥することによりヘミセルロースを得た。糖分析の結果、ヘミセルロースの主成分はキシランであることがわかった。このキシランをエステル化することにより、キシランエステル誘導体を合成した。キシランエステル誘導体はクロロフォルムなどの有機溶媒に溶解し、フィルム成形が可能であることがわかった。
|
Research Products
(8 results)