2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・ナノバブルを用いた環境調和型新規有機合成手法の開発
Project/Area Number |
21655056
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
間瀬 暢之 Shizuoka University, 工学部, 准教授 (40313936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立元 雄治 静岡大学, 工学部, 准教授 (00324335)
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Keywords | マイクロバブル / ナノバブル / グリーンケミストリー / 酸化反応 / 環境調和型 / 有機合成 |
Research Abstract |
マイクロバブルは直径が数μmから数十μm以下の微細な気泡であり、一般的なcmスケールの気泡と比較すると浮力が極めて小さい。このため水中に長時間滞在し、溶存酸素濃度などを短時間で持続的に過飽和状態にすることが可能である。我々は工業的に重要な化学反応の一つである酸化反応におけるマイクロバブルの活用を研究している。TEMPOはアルコールをアルデヒドへと酸化する触媒であるが、TEMPOの再酸化剤を必要とする。本研究ではマイクロバブル化した酸素(空気)をTEMPOの再酸化剤として利用し、高効率的なアルコールの酸化反応を検討した。 有機溶媒耐用型マイクロバブル発生装置を用いてマイクロバブルを蒸留水中で発生させ、溶存酸素濃度の時間変化を測定した。通常の空気供給よりも短時間で酸素濃度が過飽和状態へと達したことから、系中への安定した酸素の大量供給をできると考えられる。 次に酸素を再酸化剤として用いたTEMPO酸化反応について検討を行った。系中にマイクロバブル(3mL/min)を用いて酸素を供給しながらTEMPO酸化を行った結果、開放系と比較して高収率で目的生成物が得られた。また開放系と通常のバブリング(3mL/min)による酸化については収率に差は見られなかった。積極的にバブリング(16mL/min)を行ったときとマイクロバブル(3mL/min)による酸化において同程度の収率となった。この結果から、極めて少ない空気導入量における効率的な酸化反応をマイクロバブルの手法により達成した。また、長鎖アルコールについても同様にマイクロバブルによる酸化が最も良い収率で目的生成物が得られた。 以上、マイクロバブルを用いることにより極少量の空気導入量で系中への酸素供給が可能となり、従来法より高効率的な酸化反応を達成した。
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Research Products
(1 results)