2009 Fiscal Year Annual Research Report
三次元水素結合ネットワークに基づくナノプロトニクス材料の創製
Project/Area Number |
21655075
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松田 厚範 Toyohashi University of Technology, 工学部, 教授 (70295723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
逆井 基次 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (50124730)
武藤 浩行 国立高等専門学校機構久留米工業高等専門学校, 材料工学科, 准教授 (20293756)
大幸 裕介 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70514404)
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Keywords | メカノケミカル処理 / 硫酸塩 / ヘテロポリ酸 / プロトン / 水素結合 / 導電率 / NMR / 燃料電池 |
Research Abstract |
(1)メカノケミカル処理による種々のオキソ酸-ヘテロポリ酸系複合体の合成 硫酸塩とヘテロポリ酸をメカノケミカル処理して得られる複合体の導電率の温度・組成依存性を系統的に調べて、基礎データを収集した。CsHSO_<4->WPA系と同様、KHSO_<4->WAP系とNH4HSO_<4->WPA系では、硫酸水素塩含量が90mol%付近で導電率の極大が認められた。一方、CsHSO_<4->WPA系では、組成に対する導電率の極大は認められなかった。また、最適組成においてCsHSO_<4->WSiA系は、CsHSO_<4->WPA系よりも高い導電率を示すことなどがわかった。 (2)分光法による三次元元水素結合ネットワーク解析 メカノケミカル処理によって誘起されるオキソ酸-ヘテロポリ酸系複合体の熱的性質や構造の変化を詳細に調べた。ミリング処理によって、WPAやWSiAのプロトンの一部が一価カチオンによって置換され、ヘテロポリ酸の面間隔が小さくなっていることや、硫酸水素アニオンとヘテロポリ酸(W-O-W結合)間に新たな水素結合が形成されていることがわかった。特に、^1H MAS NMRスペクトルのケミカルシフトから算出される水素結合距離と導電率の関係について詳細な検討を行った結果、ミリング複合体について、導電率の対数値と^1H MAS NMRスペクトルの最も低磁場側のピークのケミカルシフトから求めた水素結合距離の間に負の相関関係が成り立つことを確認した。 (3)^1HNMRのスピン-格子緩和時間測定によるプロトンダイナミックス解析 ^1Hのスピン-格子緩和時間(T_1)を調べ、プロトンのホッピング距離に相当するナノメートル領域におけるプロトンダイナミックスについて検討を行った。その結果、プロトンの運動性を表す重要パラメータである相関時間τ_0と活性化エネルギーをΔEをCsHSO_<4->WPA系やKHSO_<4->WPA系複合体に対して求めることができた。
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Research Products
(21 results)