2010 Fiscal Year Annual Research Report
三次元水素結合ネットワークに基づくナノプロトニクス材料の創製
Project/Area Number |
21655075
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松田 厚範 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70295723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 浩行 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20293756)
大幸 裕介 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70514404)
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Keywords | メカノケミカル処理 / 硫酸塩 / ヘテロポリ酸 / プロトン / 水素結合 / 導電率 / NMR / 燃料電池 |
Research Abstract |
(1)オキソ酸-ヘテロポリ酸系複合体を含むPBIコンポジット膜の作製と燃料電池発電特性 メカノケミカル処理によって50H_4SiW_<12>O_<40>・50CsHSO_4複合体(50Si50Cs)を調製し、ポリベンズイミダゾール(PBI)と混合することでPBI-50Si50Cs系コンポジット膜を作製した。シングルセル発電試験(160℃,乾燥H_2/O_2)の結果、50Si50Cs無機固体酸複合体を添加したコンポジット膜は約265mWcm^<-2>の最大電力密度とともに、シングルセル運転の際には0.2cm^<-2>の低い面抵抗を示し、純粋なPBI電解質膜と比べて性能が大きく向上した。これはリン酸の間で移動していたプロトンの経路に無機固体酸複合体が分散することで、プロトンのホッピングが容易になり、電解質膜の抵抗が低下したためと考えられる。 (2)メカノケミカル処理による硫酸水素塩-アゾール系無機有機複合体の合成 MHAO_4型無機固体酸としてKHSO_4、NH_4HSO_4およびCsHSO_4を用い、アゾールとしてトリアゾール(C_2H_3N_3;Tz)を用いてMHSO_4-Tz(M=K,NH_4,Cs)無機有機複合体をメカノケミカル合成することに成功した。いずれの無機固体酸も120℃以下の温度領域において10^<-5>以下の低い導電率を示すのに対して、アゾールを導入した複合体では、M^+イオンの種類によらず、低温領域から無機固体酸単体よりも2桁以上高い導電率を示し、測定温度領域全域で10^<-3>Scm^<-1>以上の非常に高い導電率を示した。これは無機固体酸とアゾールの複合化により、両者の間に水素結合などが新たに形成され、水素結合を介したプロトンホッピングとアゾール成分によるプロトンの自己拡散が同時に行われることで、無加湿中・低温領域においても高い導電率を示したと推察される。
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[Presentation] 硫酸水素塩(MHSO_4,M=Li,K,NH_4,Rb,Cs)-ケイタングステン酸メカノケミカル複合体のキャラクタリゼーション2010
Author(s)
河合啓介, 呉松烈, 大幸裕介, 武藤浩行, 逆井基次, 松田厚範
Organizer
第36回固体イオニクス討論会
Place of Presentation
宮城
Year and Date
20101124-20101125
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