2009 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレンを層状化合物ナノ層間に集積させた新規高密度pn接合デバイスの創製
Project/Area Number |
21655077
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三宅 通博 Okayama University, 大学院・環境学研究科, 教授 (30143960)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西本 俊介 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 助教 (90435826)
高口 豊 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (10293482)
|
Keywords | 有機・無機ハイブリッド材料 / 交互積層法 / ナノシート / 剥離 / 無機層状化合物 / デンドリマー / pn接合 |
Research Abstract |
本研究は、p形半導体であるイオン交換性無機層状化合物のナノ層間へn形半導体であるフラーレンを集積させた新規有機・無機ハイブリッドpn接合デバイスを開発することを目的としている。研究目的を達成するために、今年度は、非イオン性であるフラーレンをデンドリマーで表面修飾してイオン化し、無機層状化合物の層間に集積させた目的物質を作製するための手法を以下の研究により可能性を検討した。 フラーレンをデンドリマーで表面修飾したフラロデンドロンの前駆体であるアントリルデンドロン1.5世代とMg-Al系層状複水酸化物(LDH)とのハイブリッド化を交互積層(Layer by Layer ; LbL)法により行った。開発目標がデバイス作製であることを考慮して、有機・無機ハイブリッド材料の作製法にLbL法を採用した。ホルムアミドでナノシート状に剥離したLDH剥離溶液とアントリルデンドロン水溶液に交互に基板をn回浸漬し、薄膜を作製した。得られた積層薄膜をUV-vis吸収スペクトル、発光スペクトル、XRD法により検討した結果、LbL法によりアントリルデンドロンとLDHナノシートとが交互に積み重なったハイブリッド積層薄膜の作製に成功した。薄膜中ではアントリルデンドロンの発色団は会合せず、孤立した状態であると考えられた。本検討結果より、LbL法を用いることで、n形半導体のフラロデンドロンとp形半導体の無機層状化合物ナノシートとを交互に積み重ねたハイブリッドpn接合デバイスの作製が可能であると期待された。 現在、p形半導体であるCo系の層状ペロブスカイトを合成し、種々の溶媒を用いて、ナノシート状への剥離手法を検討している。フラーレンとアントリルデンドロンとを反応させることでフラロデンドロンを合成することに既に成功しているので、剥離手法が確定すれば、ハイブリッドpn接合薄膜の作製に着手する予定である。
|
Research Products
(2 results)