2010 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレンを層状化合物ナノ層間に集積させた新規高密度pn接合デバイスの創製
Project/Area Number |
21655077
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三宅 通博 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (30143960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西本 俊介 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 助教 (90435826)
高口 豊 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (10293482)
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Keywords | 有機・無機ハイブリッド材料 / ナノシート / 無機層状化合物 / フラーレン / 剥離 / 交互積層法 / pn接合 / デンドリマー |
Research Abstract |
本研究は、p型半導体であるイオン交換性無機層状化合物のナノ層間へn型半導体であるフラーレンを集積させた新規有機・無機ハイブリッドpn接合デバイスを開発することを目的としている。研究目的を達成するために、非イオン性であるフラーレンをデンドリマーで表面修飾してカチオン化し、カチオン交換性のコバルト系層状化合物の層間に集積させる方法と層間を界面活性剤で修飾して疎水的な表面にしてフラーレンを集積させる方法を検討した。 フラーレンを末端アミン型デンドリマーで修飾すれば、フラーレンをカチオン化したフラロデンドロンを得ることができる。末端アミンのフラロデンドロンを包摂する前段階として、NH4+型のコバルト酸層間化合物の合成を目指して、NH3共存下での水酸化コバルトの酸化反応を検討した。前駆体である水酸化コバルトの分散溶液を02ガスでバブリングしながら恒温槽で養生することでH+型のコバルト酸層間化合物が得られたが、目指していたNH4+型は得られなかった。さらに、H+型を前駆体としてイオン交換反応による末端アミン型のデンドリマーとの複合化を検討したが、層間にデンドリマーを包摂したコバルト酸層間化合物を得ることはできなかった。以上より,別の手法による複合化の検討が必要であると考えられた。 次に、層間に界面活性剤を挿入した層間化合物を合成し、疎水的な層間へ直接フラーレンを集積することを検討した。共沈法を用い,ドデシル硫酸ナトリウム(DS)やドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBS)と共に沈殿した水酸化コバルト分散溶液を02ガスでバブリングしながら恒温槽で養生することで、層間に界面活性剤を挿入したCo-Co系層状複水酸化物(LDH)が得られた。現在、得られたCo-Co系LDH層間へのフラーレンの導入を検討している。フラーレンの導入に成功すれば、不活性雰囲気で熱処理を施すことで目的とするpn接合ハイブリッド材料が合成できると期待される。
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Research Products
(4 results)