2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
夛田 博一 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40216974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 亮 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (20343741)
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Keywords | 有機半導体 / 有機エレクトロニクス / 分子スピントロニクス / スピンバルブ / 単一分子 / ブレークジャンクション |
Research Abstract |
単一有機分子にスピンを注入し,スピンに依存した伝導現象を観察する。強磁性電極に単一分子を架橋し,磁場を印加しながら,電気伝導度を計測し,分子の長さや構造,温度,印加電圧の影響を調べることにより,単一分子へのスピン注入過程と分子内でのスピン輸送に関する知見を得るとともに,磁気抵抗素子としての応用の可能性を探ることを目的とする。 今年度は、金電極を用いたブレークジャンクション(BJ)法の極低温下での動作確認と,強磁性電極を用いたBJ法の確立を行った。まず、新しく分子設計された長さ2nm~10nmにおよぶ単一分子ワイヤーの電気伝導度を定量的に測定した。伝導度の分子鎖長依存性を調べたところ、長さ5nm以下ではトンネル伝導が支配的であるのに対し、それ以上ではホッピング伝導が顕著に現れることが確認できた。温度依存性を測定することにより、活性化障壁を求め、より詳細なキャリア輸送機構を議論できると期待される。 また、あらかじめ電子ビームリソグラフィーとリフトオフ法により作製した金のナノギャップ電極をニッケルで電界メッキすることにより、ニッケル電極を用いたブレークジャンクションを行った。メッキによるBJ電極の作製は、他に例がない方法である。室温において磁場を掃引しながら電気抵抗の値を測定すると、抵抗値が大きく変化することが確認できた。今後、分子を挟み込むことにより、単一分子のスピンバルブ特性が観察できると思われる。
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Research Products
(5 results)