2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656007
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
三木 一司 独立行政法人物質・材料研究機構, 高分子材料ユニット, グループリーダー (30354335)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯崎 勝弘 独立行政法人物質・材料研究機構, 高分子材料ユニット, NIMSポスドク研究員 (30455274)
|
Keywords | プラズモン / 近接場 / 光化学反応 / 流体デバイス |
Research Abstract |
提案するプラズモニクスデバイスは、μTAS(化学分析用流体デバイス)に金微粒子SAM膜(2次元配向膜)を組み合わせたものです。流路部分にアルキル鎖+チオール基を側鎖として修飾した金微粒子を使ってSAM膜を形成し、この流路部分で光化学反応を起します。金微粒子SAM膜の利用で、金微粒子サイズや形状と間隔を精緻に制御できますし、均一な光照射を担保できます。反応用光と分析光は裏面から入射させ、流路底面(光化学反応液と基板の界面)で多重全反射できます。装置はオープンループで利用できるため、高いスループットの光化学反応が可能です。反応溶液は回収して化学反応率を定量的に評価します。本年度は、提案するプラズモニクスデバイスによる光化学反応増強効果の実証に成功した。 既に光化学反応増強プラズモニックスデバイスを用いて、アントラセン単量体から光化学反応によりアントラセン2量体を合成する光環化付加反応をプローブとして、高い光化学反応加速性能を得る事ができた。この実証の確度を高めるために、アントラセンに代わってアントラセンカルボン酸を用いて同様の実証テストを行った。NMR測定によりアントラセンカルボン酸2量体の光環化付加反応の進行を定量的に解析した結果、反応が加速されている事が分かった。アントラセンと違って構造が異なるものが複数できるため、2量化を明瞭に示す事になる。更に金微粒子サイズと間隔を制御してプラズモン波長を調整し、2光子反応による、アントラセン単量体から光化学反応によりアントラセン2量体を合成する光環化付加反応も確認した。この結果は、提案したプラズモニクスデバイスが高い光化学反応加速性能を持つ事を示した事になる。
|