2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノサイズ流体プロセスを用いた金属直立プラズモニック構造作製法の開発
Project/Area Number |
21656018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中田 芳樹 Osaka University, レーザーエネルギー学研究センター, 准教授 (70291523)
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Keywords | ナノテクノロジー / 超短パルスレーザー / 干渉 / ナノマテリアル / 金属薄膜 / ナノウィスカー / ナノウォータードロップ |
Research Abstract |
超短パルスレーザーを用いてナノサイズの金属流体プロセスを瞬間的に誘起し、金属の直立構造が周期的に配列する構造を形成する。今年度は下記の成果を得た。 1.装置の構成:透過型回折格子と縮小光学系を組み合わせることでフェムト秒レーザー干渉加工装置を構成した。 2.ターゲットの多様化:従来のAuに加え、Ag,Ti,Ptを堆積した試料をテストし、ナノ形状に与える影響を調べた。また、シリカガラスおよびサファイア(0001)基板を用いた。 3新規形状の探索:シリカガラス基板に堆積した厚さ50nmのAu,Ag薄膜を周期2.45μmで加工した場合、バンプの上にウィスカーが直立した複合構造が形成された。特にAgウィスカーの頂点曲率半径は最小値で約6nmであり、トップダウン的加工法の解像度や波長限界を遙かに超えたサイズの構造が形成された。ウィスカー部のアスペクト比は約20を達成した。一方、基板をサファイアに変えた場合はナノウォータードロップが形成された。よって、基板の光学特性のみならず熱物性が重要であることが示された。Tiは17~85nmの膜厚全てにおいてメッシュ形状が形成された。フルエンスが高い場合(200~400J/cm^2程度)には中央部にφ150nm程度のシリカガラスと思われるナノバンプが形成された。同程度のフルエンスで薄膜が無い場合には全く加工されないことから、薄膜から基板にエネルギーが移動することで基板のナノ流体プロセスが誘起されたものと思わる。5nm厚のPtの場合、メッシュの外縁部がめくれ上がり、ナノウォールを形成した。10nm厚では外縁部は溶融構造となった。 以上のように、各種パラメーターに対してナノ形状は敏感に変化した。今後さらなるデータの蓄積と形状探索をおこなう。
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Research Products
(15 results)