2010 Fiscal Year Annual Research Report
水素をプローブに用いた新しい累積疲労損傷検出技術の開発
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21656028
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
駒崎 慎一 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (70315646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸野 豊 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70150282)
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Keywords | 破壊 / 累積疲労損傷 / 非破壊評価 / 水素 / 格子欠陥 / き裂発生 / 原子炉圧力容器用鋼 / 昇温脱理分析 |
Research Abstract |
原子炉圧力容器用鋼を対象として,水素をトレーサーとして用いたき裂発生以前の累積疲労損傷の検出・評価のための基礎的検討を行った.種々の疲労寿命比で低サイクル疲労試験を中断し,疲労損傷度の異なる様々な疲労損傷付与材を作製した後,表面き裂の観察を行った.その後,最適なチャージ条件を決定した後に陰極電解法により水素をチャージし,水素放出特性に及ぼすひずみ範囲および繰返し数の影響を水素昇温脱離分析により調査した.得られた知見をまとめて以下に示す (1)水素チャージ条件の改良を検討した結果,1mol/LNaOH水溶液にNH_4SCNを0.1mass%添加した電解液を用い,12hチャージするのが最適であることがわかった,また,本条件下で得られた疲労寿命比に伴うC_Hの増加は従来条件下でのものに比べより顕著となり,検出感度が大きく向上した (2)水素放出曲線測定において400℃と600℃の焼鈍によって水素放出量C_Hが減少することから,水素放出特性変化は疲労に伴う転位の双極子およびループあるいは,空孔,空孔クラスター等の格子欠陥の形成に起因していると推測された (3)疲労寿命比の増加に伴い水素放出量C_Hも増加する.しかし,同じ寿命比でも全ひずみ範囲の大きいものほどC_Hが大きくなる傾向があり,C_Hの変化はひずみ範囲に大きく依存することが明らかとなった (4)水素放出量C_Hは寿命の極初期から増加する.き裂の発生が観察されないCoffin-Manson型パラメータ△ε_ρ・N^<0.4><2の範囲においても,C_Hは△ε_ρ・N^<0.4>の増加とともに顕著に増える.このことより,C_Hの測定により△ε_ρ・N^<0.4>で表現されるき裂発生以前の累積疲労損傷を推定することが可能である
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Research Products
(1 results)