2009 Fiscal Year Annual Research Report
表面の局所電子プローブイメージングによるシリコンの機械的疲労損傷機構描像への挑戦
Project/Area Number |
21656030
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
神谷 庄司 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 教授 (00204628)
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Keywords | 機械材料・材料力学 / マイクロマシン |
Research Abstract |
研究計画初年度の平成21年度は主に、環境制御型電子顕微鏡(ESEM)内での疲労試験を可能とする実験装置の開発と、EBICおよびSPMによる疲労過程の観察を可能とする試験片のデザイン・作製を行った。特にスペースの限られるESEM内において、観察のための電子ビーム系統に悪影響を及ぼすことなく試験片を破壊するに十分な負荷を与える機構を確立することは、困難を極める開発となった。いくつかの方法を検討した結果、最終的に曲げ試験片に対する負荷系を曲げに剛くねじりに柔かく設計された弾性ヒンジを介して途中で90度転向し、これを水平に設置したピエゾアクチュエータにより駆動することで、真空チェンバ内の空間に全ての装置を収納し、かつ曲げ試験片の引張負荷側を真上から電子ビームで観察するという実験系の製作に成功した。また、この装置に対応した試験片をファウンドリに依頼して作製した。予備的に行った実験では計画通りに試験片の破壊試験が出来ることが確認されており、次年度における世界に先駆けたEBIC観察下におけるシリコンの疲労試験の本格稼働とデータ取得に向けての準備がほぼ整ったと考えられる。 試験装置の開発が予測以上に難航したため研究進捗状況が当初の計画より多少遅れているが、実験装置は既に良好な状態で動作しているため、次年度の1年間で当初予定通りの疲労過程のEBIC観察およびSPMによる観察は十分に可能と考えられ、今後の成果が期待される状況となっている。
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