2009 Fiscal Year Annual Research Report
熱成層高サイクル熱疲労条件の推定を例としたクロスフィジックス逆問題解析手法の構築
Project/Area Number |
21656033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 司郎 Osaka University, 工学研究科, 教授 (20107139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪上 隆英 神戸大学, 工学研究科, 教授 (50192589)
井岡 誠司 大阪大学, 工学研究科, 助教 (50283726)
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Keywords | 温度推定 / 熱疲労 / 逆問題 / 安全 |
Research Abstract |
本研究の目的は、熱成層等の高サイクル熱疲労条件を配管の外側で観測した温度分布あるいはひずみ分布から推定する逆問題解析手法を構築することにある。本年度の研究成果は以下の通りである。 1.薄肉配管の熱伝導の現象が周波数により異なることに着目し、振幅の減衰率および時間遅れに関する数理解析を実施し、これらを周波数の関数として表した。配管外面温度履歴を周波数分解したものに、減衰率の逆数を乗じ、時間遅れを逆に早めることにより、配管内面の温度分布を推定する手法を提案した。この手法による推定結果を有限要素解析結果と比較した結果、この手法が原理的に有効であることが明らかになった。さらに推定精度を向上させるため、減衰率算定の修正方法を提案した。 2.配管内部のスラグ流に伴う配管内面の周期的温度変動を外面温度観測から推定するため、数理解析を実施した。その結果、温度減衰率と時間遅れを、周波数とスラグ流の流速の関数により表すことができた。この結果を用いて、周波数分解された外面温度履歴に、減衰率の逆数を乗じ、時間遅れを逆に早めることにより、配管内面の温度分布を推定する手法を提案した。数値解析により、手法が有効であることが明らかとなった。また、配管外面の温度変動からスラグ流の流速を推定する方法を提案するとともにその有効性を有限要素解析により明らかにした。さらに、配管の減肉の状況把握のため、外面温度変動履歴から配管減肉量を推定する方法を提案し、その手法の有効性を数値解析により確認した。 3.推定された配管内面の温度履歴を用いて、配管内の熱応力を推定し、寿命を評価する方法を提案した。
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Research Products
(3 results)