2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656036
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
國枝 正典 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (90178012)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 幸弘 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 助手 (80431972)
|
Keywords | 放電加工 / 電極消耗 / 放電痕 / 高速回転主軸 / 静電誘導給電 / アーク柱 / 微細放電加工 |
Research Abstract |
放電加工において加工精度を向上させるために、工具電極面と工作物面との間に相対滑り運動を生じさせ、アーク柱が工具電極面上を滑ることにより、工具電極面上の局所的な温度上昇を抑え、工具電極消耗を減少させる方法を開発した。相対滑りを与えるためには工具電極を高速に回転させる必要がある。また、高速回転する工具電極に給電するためには、非接触で給電が可能であることが望ましい。そこで、筆者らが新たに開発した静電誘導給電法を応用した。パルス状の電圧を、直列に配置した容量を介して工具電極に接続することにより、配線間の浮遊容量の影響を排除し、従来のRC放電回路よりも微細な放電エネルギーが得られる。また、高速回転するスピンドルと同軸に設置した給電電極との間隙で形成される容量を介して非接触給電できるため、工具電極の芯振れを生じさせることなく給電が行える。21年度はこの静電誘導給電法を用いて、工具電極の回転数が加工速度や工具電極消耗に及ぼす影響を調べ、加工特性の向上を図った。その結果、5万rpmで回転する工具電極に非接触で給電が可能であることを示した。また、従来の1千rpm程度の回転数で加工する場合に比べて加工速度が約2倍に増大し、工具電極消耗は1/2に減少することが明らかとなった。しかし、放電のパルス幅は約100nsであり、工具電極径は0.3mm程度なので、5万rpm程度では放電持続時間中にアーク柱が電極面上を滑る距離は放電痕直径に比べて無視できるほど小さい。従って、高速回転によって連続した放電が電極面上の同じ位置に発生することが防止でき、電極面上に放電点が分散することによって電極温度の局所的な上昇が抑えられ、放電が安定することが加工特性向上の原因であると考えられる。
|
Research Products
(3 results)