2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノロッド局在プラズモン増強による光アシスト加工法
Project/Area Number |
21656042
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
加藤 純一 The Institute of Physical and Chemical Research, 河田ナノフォトニクス研究室, 先任研究員 (70177450)
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Keywords | 金属ナノロッド / 光アシスト加工 / 局在プラズモン / 光化学反応 |
Research Abstract |
本研究では、近年様々な手法で化学合成が可能となったナノ素材を加工のためのツールとして用いることで、新しいナノ加工・アッセンブル法の確立を目指している。その中でここでは、金・銀などの貴金属のナノロッド・ワイヤをその長軸に沿った偏光により光励起した際にそのロッド両端に生じる強い増強電場を利用した光化学加工法の原理の実現可能性の検証を目的としている。本年度は、加工ツールである金・銀ナノロッドの化学合成とそれを用いた増強電場による微細加工現象の確認と加工特性の把握、ナノロッド、ワイヤの位置・姿勢制御・支持手法の開発と光励起法の検討を行った。基本となる加工ツールとして、まず金ナノロッドの合成を、塩化金酸、CTABを含む溶液中での光還元により行った。まだ、形状の制御が不十分であり様々な形状の微粒子が混在している状況だが、それらをフォトレジスト薄膜をコートした基板上に分散し、405nmの光照射を行った際の微粒子周辺の増強電場の状態を露光・現像しAFM観測によりナノロッド粒子の両先端部での電場による光電場増強と照射光の偏光方向との関係の把握などが行えた。微小粒子のハンドリング手法確立のための1手法として、透明基板を通したラジアル偏光ビームが溶液中のナノロッド粒子に及ぼす力学的作用の観測を散乱光の変化により試みた。その結果、ビーム中央に粒子が入った状態で、散乱光の強度に変化が生じる現象が観測され、このことより集光ビームによる光放射圧と偏光方高に応じた微粒子の姿勢変化が生じていることが推測される。しかし、未だその状態の固定とSEM等による確認ができていない。現在基板表面に塗布した光硬化樹脂を用いた変化後の状況の固定することを試みている。
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Research Products
(2 results)