2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノロッド局在プラズモン増強による光アシスト加工法
Project/Area Number |
21656042
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
加藤 純一 独立行政法人理化学研究所, 河田ナノフォトニクス研究室, 先任研究員 (70177450)
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Keywords | 金属ナノロッド / 光アシスト加工 / 局在プラズモン / 光化学反応 |
Research Abstract |
本研究では、近年様々な手法で化学合成が可能となったナノ素材を加工のためのツールとして用いることで、新しいナノ加工・アッセンブル法の確立を目指している。その中で、金・銀などのナノロッド・ワイヤをその長軸に沿った偏光により光励起した際にそのロッド両端に生じる強い増強電場を利用した光化学加工法の原理の実現可能性の検証を目的としてきた。昨年度に引き続き、本年度も加工ツールである金ナノロッド・ワイヤを用いた増強電場による微細加工のための電場分布の把握、ナノワイヤの位置・姿勢制御・支持手法の開発と光励起法の実験的検討を行った。今年度は、金ナノロッドに加え、長さ数μm直径100nmの金ナノワイヤについて、これを色素をドープしたフォトレジスト薄膜をコートした基板上に分散し、532nmの光照射を行った際の微粒子周辺の増強電場の状態を蛍光強度分布により顕微観測し、励起光のスポット位置とナノワイヤの両先端部での電場による光電場増強と照射光の偏光方向との関係の把握を行った。この増強電場による光アシスト加工の基本原理の確認を目指し、ナノワイヤのラジアル偏光ビームによる光トラッピングを援用したハンドリングを試みた。しかし現状では安定したナノワイヤの姿勢制御とその固定を行うことに成功しておらず、固定端での増強電場を利用した光化学加工実験の実現に至っていない。加工液中でのブラウン運動等に対して、トラップビーム強度が充分でない可能性がある。現在、ガラス基板表面に収束イオンビーム加工により近接した金属突起を作成し、そこに生じる局在プラズモンにより金属ナノワイヤの位置をクリップする方法を試している。この方法により金属ナノワイヤ先端部を、所望の位置に固定することができれば、ワイヤ他端または中央部に励起ビームを照射し、固定端部に伝播した増強電場による光アシスト加工の効率等を見積もることが可能になるものと期待している。
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Research Products
(3 results)