2009 Fiscal Year Annual Research Report
放射光X線回折法によるEHL条件下潤滑油の構造解析
Project/Area Number |
21656047
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松岡 敬 Doshisha University, 理工学部, 教授 (80173813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 朋子 同志社大学, 理工学部, 准教授 (00340505)
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Keywords | 潤滑油 / トライボロジー / 弾性流体潤滑 / トラクションオイル / 放射光 / X線回折法 / 高圧 |
Research Abstract |
機械工学技術において,要素間の摩擦及びそれに伴う摩耗の発生に関する諸問題は極めて重要な課題であり,トライボロジー分野において多くの研究が進められている.しゅう動面に潤滑油を添加すると,それまで固体間でなされていた摩擦形態は大幅に変わり,通常,摩擦は緩和される.しかし,急激な加圧条件下で潤滑油を瞬間的に固化させて動力を伝えるトロイダルCVTの開発など,機械工学における潤滑油の新たな役割も見出されつつあり,それらを背景に潤滑油の微視的挙動に関する関心も高まってきている.にも関わらず,一般的な潤滑油の研究といえば摩擦係数や寿命などで表される巨視的な機械特性の測定を取り扱うものが多く,潤滑油の立体構造の観点から純粋にその役割を議論した例は極めて少ない.中でも,高圧しゅう動条件下,すなわち,弾性流体潤滑(EHL)条件下での潤滑油の立体構造を実験的に観察した例は,申請者らの調べるところ未だ見当たらない.そこで本研究では,高エネルギー加速器研究機構Photon Factory内た設置されているBL-18Cビームライン上に小型二円筒試験機を設置し,二円筒間に形成されるEHL油膜に放射光X線を当てて潤滑油からの回折情報を得,その後得られた回折情報を解析することにより,EHL条件下潤滑油の構造解析を行った.その結果,静的な圧力場においてはトラクションオイルの分子構造の変化を確認することができたが,EHL条件下ではその構造変化は見られなかった.
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