2009 Fiscal Year Annual Research Report
革新的洗浄方法原理解明のための水蒸気・水混相噴流衝突速度における凝縮効果の解析
Project/Area Number |
21656048
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡部 正夫 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (30274484)
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Keywords | 混相流 / 気液二相流 / 液滴衝突 / 気液界面 / 分子気体力学 / 凝縮 / 数値解析 |
Research Abstract |
本研究では,研究代表者らが提案した水蒸気と水を混合しノズルから噴射する革新的混相噴流洗浄方法の基本原理を解明することを目的としている.具体的には,水蒸気中の水液滴が固体表面上の水液膜に衝突することにより発生する液滴および液膜内の圧力伝播に着目する.ここで,衝突時に発生する圧力は,液滴衝突速度に大きく左右される.そのため,衝突速度を正確に見積もる必要があり,液滴界面および固体表面での凝縮効果を高精度で解析することが必要である.従って,分子気体力学を用いることが必要不可欠である.本年度は,分子気体力学の手法による,多原子気体(水蒸気)の凝縮が起こる場合の液滴衝突速度の評価を行うために,気体分子力学と連続体数値流体力学を融合させた数値解析スキーム開発のための基礎モデルの構築を行った. 本年度は,球対称一次元座標系を用いて,多原子分子気体が球形液滴に凝縮する過程の数値シミュレーションのモデル化を行った.気体の振る舞いは他原子分子に拡張されたGaussian-BGK-Boltzmann方程式に従うものとした.液滴内部の熱伝導は,連続体熱伝導方程式によって記述した.気液界面の境界条件を支配するパラメータを検討することにより,解法の安定性について考察した.特に液滴周囲の圧力分布を観察し,凝縮効果を検討した.また,液滴周囲気体が,不凝縮気体の場合と凝縮性気体の場合について,連続体数値流体力学ソフトウェアを用い,固体表面に衝突する液滴の速度変化の比較を行った.数値計算の結果得られた液滴の挙動は,気液界面における,蒸発・凝縮を支配する物理モデルによって大きく影響を受けることを確認した.
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