2009 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマを利用したメタンハイドレートからの水素生成
Project/Area Number |
21656059
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
野村 信福 岡山大学, 理工学研究科, 教授 (20263957)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向笠 忍 愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (20284391)
豊田 洋通 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (00217572)
|
Keywords | 熱工学 / プラズマ加工 / プラズマ・核融合 / ナノ材料 / 水素 |
Research Abstract |
本研究の目的は,低温高圧下で安定に存在するメタンハイドレートを海水下でプラズマによって分解し,水素ガスを燃料ガスとして回収することである.このための,高圧力下での液中プラズマ発生実験が実施された.実験は0.10MPaから0.45MPaの雰囲気中で水中プラズマ実験が実施された.出力120W~200W,27.12MHzの水中プラズマを発生させ,分光測定から,圧力と電子温度・電子密度の関係を調べた.プラズマの電子温度はボルツマン分布であると仮定し,H_αとH_βの発光強度比から求めた.雰囲気圧力を0.10MPaから0.45MPaに増加させると,約3700Kから約3200Kに下降する.気相プラズマの電子温度は圧力0.1M~0.5MPaのとき,約8000Kであったことから,液中プラズマの電子温度は気相の場合の1/2以下となっている,電子密度はH_βのスペクトル線のシュタルク広がりから求めた.雰囲気圧力を0.10MPaから0.40MPaに増加させることによりプラズマの電子密度は約3.5×10^<20>m^<-3>から約5.8×10^<21>m^<-3>に上昇する.これは圧力が上昇するにつれて気泡内の水分子が増えるため電子の衝突回数が増え,その結果,単位体積当りのα作用による電離が多く起こったためだと考えられる. 高速度ビデオカメラを使用してプラズマ発生時に生じる気泡の挙動を撮影し,気泡発生頻度f(1秒間にどれだけの気泡が発生するか)と気泡が電極から離れるときの離脱直径dを導き周期と離脱直径の関係を調べた.圧力が増加すると,離脱直径,離脱周期ともに小さくなる.一般に核沸騰では,fd=80~110の関係が導かれている.本実験で得られた結果は,圧力を増加させることによりfdの値は250から350に増加するが,離脱周期に対して離脱直径は直線的に増加することが明らかになった.
|