2009 Fiscal Year Annual Research Report
光によるQ値可変を実現する半導体多層膜共振器の創製
Project/Area Number |
21656084
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
北田 貴弘 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (90283738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井須 俊郎 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (00379546)
森田 健 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (30448344)
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Keywords | 微小共振器 / 量子ドット / MBE、エピタキシャル / 非線形光学応答 / 超高速全光デバイス |
Research Abstract |
光共振器の性能指数であるQ値を超短パルス光によって可変し得る半導体多層膜共振器の創製を目指し、1桁程度のQ値可変に要求される材料特性及び多層膜構造を光学応答シミュレーションによって導出するとともに、高機能過飽和吸収媒体として共振器層に用いる高い非線形性と超高速応答特性を併せ持つ量子ドットの開発を進めた。共振器層での過飽和吸収効果と内部光電場増大効果を取り入れた伝達マトリックス法によるシミュレーションプログラムを開発し、過飽和吸収効果による共振器Q値の変化と材料特性・積層構造との関係を求めた。共振器を構成する上下のGaAs/A1Asブラッグ反射多層膜の積層数が各々20層である場合、共振器層の吸収係数が1,000cm-1程度であれば、過飽和吸収効果による透過率変化に伴って1桁程度のQ値増大が実現可能であることがわかった。高機能過飽和吸収媒体の開発では、歪緩和InGaAsバ旨リア層上にInAs量子ドットを分子線エピタキシー法で形成する際にErを添加し、その添加効果を調べた。中心波長が1.5ミクロンの100フェムト秒超短パルス光を用いたポンプ・プローブ法で光励起キャリアの緩和特性を評価すると、非輻射中心へのキャリア緩和に起因する高速成分にEr添加による顕著な高速化がみられた。Erを添加しない量子ドット試料の緩和時間は18ピコ秒であるのに対し、Erを面密度で2.7E13cm-2添加した量子ドット試料では3.5ピコ秒であった。さらに、輻射緩和に起因する低速成分の寄与も顕著に抑制でき、Er添加が応答速度の高速化に極めて有効であることがわかった。
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Research Products
(4 results)